現代文メモ 評論文には共通するテーマ「常識を疑う」があります。常識を疑い、新しい知識を身につけるということです。「常識を疑う」ので逆接の接続詞〈しかし〉が重要です。そしてそこには新しい知識があります。物語文では、背景・気持ち・きっかけの「は・き・け」が重要です。場面ごとの背景は気持ちを表し、場面が変わると気持ちも変わります。そして、気持ちが変わった… トラックバック:0 コメント:1 2018年03月23日 続きを読むread more
2015年東大後期総合科目Ⅲ・解答と解説 解説 第一問 東大では、二〇一〇年八月二十五日にハーバード教授マイケル・サンデル氏を招いて「正義」をテーマに白熱講義がおこなわれた。また二〇一一年冬学期には「正義を問い直す」というテーマで学術俯瞰講義(全十三回)が行われ、第十一回はサンデル氏が講義した。 【問一】正義と不正に対する人びとの反応の違いの理由を問う問題だ。注目できる… トラックバック:0 コメント:0 2015年04月07日 続きを読むread more
個人指導のお知らせ 個人指導のお知らせ ▼大学受験(中高一貫校中3~高卒) 専門科目:現代文・日本史・世界史・小論文対策。 ※小論文はAO入試対策・推薦入試対策・医歯薬受験小論文。 ※AO・推薦小論文指導では、提出書類の添削も行います。 ※他科目も相談に応じます。 ▼高校受験 ▼中学受験 ※桜蔭の国語論述対策をは… トラックバック:0 コメント:0 2015年04月06日 続きを読むread more
2010年東大前期・国語第1問「個人のプライバシーのありか」 個人の本質はその内面にあるとみなす私たちの心への(あるいは内面への)信仰は、私生活を重要視し、個人の内面の矛盾からも内面を推し量ろうと試みてきた。もちろん、このような解釈様式そのものは近代以前からあったかもしれない。しかし近代ほど内面の人格的な質が重要な意味をもち、個人の社会的位置づけや評価に大きな影響力をもってさようしたことはなかっ… トラックバック:0 コメント:5 2014年10月20日 続きを読むread more
2010年東大前期・国語第4問「詩人に必要なもの」 極めて常識的なことだが、もし詩人が自ら体験し、生活してきた事からだけ感動をひきだし、それを言葉に移すことに終始していたならば、ア詩人なんてものは、人間にとって、あってもなくても一向にさしつかえのないつまらないものになるだろう。詩が私たちに必要なのは、そこに詩人の想像力というものがはたらいているからであって、それが無いと、謂うところの実… トラックバック:0 コメント:0 2014年10月20日 続きを読むread more
2011年東大前期国語第1問「河川の風景をつくる」 河川は人間の経験を豊かにする空間である。人間は、本質的に身体的存在であることによって、空間的経験を積むことができる。このような経験を積む空間を「身体的空間」と呼ぼう。河川という空間は、「流れ」を経験できる身体的空間である。 河川の体験は、流れる水と水のさまざまな様態の体験である。と同時に、ア身体的移動のなかでの風景体験である。河川… トラックバック:0 コメント:2 2014年05月09日 続きを読むread more
小論文入門講座 1 小論文とは? 作文では、主観的に思ったこと・感じたことだけを述べることも可能だが、小論文はあるテーマに対して、論理的に考えれば誰でも共通認識にいたるであろう意見を、根拠にもとづいて述べるものである。そのため、求められるのは文学的表現ではなく論理性であり、自分の意見である。 (1)小論文の種類 ①与えられたテーマについて論… トラックバック:0 コメント:0 2014年04月22日 続きを読むread more
2012年東大前期国語第4問「ひとり遊び」 次の文章は歌人河野裕子の随筆「ひとり遊び」で、文中に挿入されている短歌もすべて筆者の自作である。これを読んで、後の設問に答えよ。 熱中、熱中、脇目もふらない懸命さ、ということが好きである。 下の子が三歳で、ハサミを使い始めたばかりの頃のことである。晩秋の夕ぐれのことで部屋はもううす暗かった。四畳半の部屋中に新聞紙の切りくず… トラックバック:0 コメント:2 2014年04月22日 続きを読むread more
2012年東大前期国語第1問「科学的自然観」 環境問題は、汚染による生態系の劣悪化、生物種の減少、資源のaコカツ、廃棄物の累積などの形であらわれている。その原因は、自然の回復力と維持力を超えた人間による自然資源の搾取にある。環境問題の改善には、思想的・イデオロギー的な対立と国益の衝突を超えて、国際的な政治合意を形成して問題に対処していく必要がある。 しかしながら、環境問題をよ… トラックバック:0 コメント:3 2014年04月10日 続きを読むread more
2014年東大後期・総合科目Ⅲ【解答と解説】 第一問 【問一】 健康という言葉は、明治時代の中頃に、明治政府が西洋医学の概念を持ち込んだことに始まる。明治政府は西洋医学の衛生や健康という概念を利用して、国民を管理しようと考えたのである。そのため西洋医学の医師を国家資格が必要な専門職にして、漢方医や鍼灸師・宗教家など民間医療従事者を排除した。このようにして西洋医学を通して、強い… トラックバック:0 コメント:0 2014年03月14日 続きを読むread more
2014年東大前期・国語第4問【解答速報】 仕事の打ち合わせでだれかとはじめて顔を合わせるとき、そんなときには、互いに見ない触角を伸ばして話題を探すことになる。もともとにがてだったそういう事柄が、いつからか嫌でなくなり、いまでは愉しいひとときにすらなってきた。どのみち避けられないから、嫌ではないはずと自己暗示を掛けているだけかもしれない。いずれにしても、初対面の人と向かい合う時… トラックバック:0 コメント:0 2014年03月11日 続きを読むread more
2014年東大前期・国語第1問【解答】 第一問 次の文章は、ある精神分析家が自身の仕事と落語とを比較して述べたものである。 いざ仕事をしているときの落語家と分析家の共通するものは、まず圧倒的な孤独である。落語家は金を払って「楽しませもらおう」とわざわざやってきた客に対して、たった一人で対峙する。多くの出演者の出る寄席の場合はまだいいが、独演会になるとそれはきわだつ… トラックバック:0 コメント:0 2014年03月03日 続きを読むread more
2013年東大前期・国語第4問「見ること」 知覚は、知覚自身を超えて行こうとする一種の努力である。この努力は、まったく生活上のものとして為されている。実際、私は今自分が見ているこの壺が、ただ網膜に映っているだけのものだとは決して考えない。私からは見えない側にある、この壺の張りも丸みも色さえも、私は見ようとしているし、実際見ていると言ってよい。見えるものを見るとは、もともとそうし… トラックバック:0 コメント:0 2014年02月24日 続きを読むread more
2013年東大前期・国語第1問「翻訳」 詩人―作家が言おうとすること、いやむしろ正確に言えば、その書かれた文学作品が言おう、言い表そうと志向することは、それを告げる言い方、表し方、志向する仕方と切り離してはありえない。人々はよく、ある詩人―作家の作品は「しかじかの主張をしている」、「こういうメッセージを伝えている」、「彼の意見、考え、感情、思想はこうである」、と言うことがあ… トラックバック:0 コメント:0 2014年01月05日 続きを読むread more
メールマガジン「東大入試で教養」見本(改訂) メルマガ「東大入試で教養」 ~東大入試で大人の教養を身につけよう 毎月1日・15日発行 ───────────────────────────── 【もくじ】 1.2007年東大入試前期・第4問:清岡卓行「手の変幻」の 概略~結婚という形 2.設問 3.解説と解答例 ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■… トラックバック:0 コメント:0 2013年03月21日 続きを読むread more
2013年東大後期・総合科目Ⅲ・講評 【総評】 今年の問題は、2つの大問にそれぞれ500字の設問が二つ、合計2,000字と分量が多く、受験生には負担の大きいものだった。十分に考える時間がなかったのではないだろうか。ただし内容は難解ではなかった。 【第1問】 世界地図が大航海時代を画期に大きく変化することを論じた文章である。世界地図が変化したことは地理で学習するため… トラックバック:0 コメント:0 2013年03月19日 続きを読むread more
2013年東大後期・総合科目Ⅲ・第2問【解答速報】 【問1】 アヘン戦争で清が敗北したことを知っていた幕府は、ペリーが来航すると翌年には日米和親条約を結んだ。しかし国威の低下と考える人々は攘夷を唱え、将軍継嗣問題ともからみ開国派と攘夷派が激しく対立した。大老井伊直弼はアロー戦争中に日米修好通商条約を結び、安政の大獄で反対派を処断した。 しかし横浜開港で輸出超過となり、江戸では物品… トラックバック:0 コメント:0 2013年03月19日 続きを読むread more
2013年東大後期・総合科目Ⅲ・第1問【解答速報】 【問1】 世界地図はルネサンス・大航海時代を画期として、世界の意味を記述した古代・中世的なものと、世界を対象化して測定可能とした近代的なものに分かれる。 古代・中世的な世界地図は、生活や社会・文化を支える世界観を表現したものであり、世界観を絵画化した概念図であった。空間は一様ではなく場所ごとに異なる意味をもち、空間と空間の間には… トラックバック:0 コメント:0 2013年03月19日 続きを読むread more
2012年東大後期・総合科目Ⅲ・第2問 第二問「神仏習合」 問1「日本の基層信仰の特色」(500字[20×25]以内) 【解答例】 神道は、日本書紀用明天皇紀で仏教と対照的に用いられた語で、その内容は多様であった。 縄文文化の土偶はバラバラの状態で発見されるが、記紀で食物神の各部位から様々な作物の芽が出たという記述があるように、食物神の各部位をバラバラにして各所に… トラックバック:0 コメント:0 2012年03月24日 続きを読むread more
2012年東大後期・総合科目Ⅲ・第1問 第一問「政治と美術」 問1「ワイマール共和国の歴史」(500字[20×25]以内) 【解答例】 第一次世界大戦後のドイツ革命を経て成立した共和国で、一九一九年にワイマールで開かれた国民会議でワイマール憲法を制定したため、ワイマール共和国とも呼ばれた。ワイマール憲法には生存権の保障の規定があったが、大統領の緊急命令発布権に関する規… トラックバック:0 コメント:0 2012年03月24日 続きを読むread more
週刊文春の取材・東大特集 今日、週刊文春の取材を受けました。3月10日に東大の合格発表があるのですが、3月17日号の発売日と重なるので、東大受験特集の記事を組むそうです。週刊朝日やサンデー毎日はこの時期受験特集を組みますが、やはり売れるそうです。それで6日に取材申し込みがあり、今日7日に取材がありました。ちょうど2月20日(日)背広に革靴で下り坂を全速力で走っ… トラックバック:0 コメント:0 2011年03月07日 続きを読むread more
『東大入試で遊ぶ教養』増補改訂版2刷刊行予定 東大入試で遊ぶ教養増補版2刷を刊行予定です。自分では売れているという感覚はないのですが、ここまでたどり着きました。ありがとうございます。そこで、これを機に大がかりに校正を行いました。表現の統一などもありますので、私からは編集に多く修正個所を提出しましたが、表現上の修正は直されないかもしれません。 この作業をやっていて思ったことは、や… トラックバック:0 コメント:0 2009年05月19日 続きを読むread more
2009年東大前期・国語第1問「白い紙と完成度」【予告編】 白は、完成度というものに対する人間の意識に影響を与え続けた。紙と印刷の文化に関係する美意識は、文字や活字の問題だけではなく、言葉をいかなる完成度で定着させるかという、情報の仕上げと始末への意識を生み出している。白い紙に黒いインクで文字を印刷するという行為は、不可逆的な定着をおのずと成立させてしまうので、未熟なもの、aギンミの足らないも… トラックバック:0 コメント:15 2009年05月04日 続きを読むread more
2009年東大前期・国語第4問「昔語りと死生観」【予告編】 いなかに百一歳の叔母がいる。いなかは奥会津である。若い日には山羊を飼って乳などを搾っていたので山羊小母と呼ばれている。山羊小母の家に行ったことは二、三度しかないが説明するとなると結構たいへんである。 一見、藁葺屋根の普通の農家だが、入口を入ると土間があって、その土間を只見川の支流から引き入れた水が溝川をなして流れている。台所の流しか… トラックバック:0 コメント:35 2009年05月04日 続きを読むread more
2008年東大前期・国語第1問「歴史拘束性と自由」【予告編】 いまここであらためて、歴史とは何か、という問いを立てることにする。大きすぎる問いなので、問いを限定しなくてはならない。中島敦が「文字禍」で登場人物に問わせたように、歴史とはあったことをいうのか、それとも書かれたことをいうのか、ともう一度問うてみよう。この問いに博士は、「書かれなかった事は、無かった事じゃ」と断定的に答える。すると博士の… トラックバック:0 コメント:8 2009年02月19日 続きを読むread more
2008年東大前期・国語第4問「演技するということ」【予告編】 二流の役者のセリフに取り組むと、ほとんど必ず、まずそのセリフを吐かせている感情の状態を推測し、その感情を自分の中にかき立て、それに浸ろうと努力する。たとえば、チェーホフの『三人姉妹』の末娘イリーナの第一幕の長いセリフの中に「なんだってあたし、今日こんなに嬉しいんでしょう?」(神西清訳)という言葉がある。女優たちは、「どうもうまく『嬉し… トラックバック:0 コメント:0 2009年02月19日 続きを読むread more
2007年東大前期・国語第1問「芸術ジャンル――分類の可能性」【予告編】 創作がきわだって個性的な作者、天才のいとなみであること、したがってそのいとなみの結実である作品も、かけがえのない存在、唯一・無二の存在であること、このことは近代において確立し、現代にまでうけつがれているaツウネンといっていい。一方、このいとなみと作品のすべてが、芸術という独自の、自立的な文化領域に包摂されていることも、同じように近代から… トラックバック:0 コメント:2 2009年01月22日 続きを読むread more
2007年東大前期・国語第4問「結婚という形」【予告編】 詩におけるさりげないひとつの言葉、あるいは絵画におけるさりげない一つのタッチ、そうしたものに作者の千万無量思いが密かにこめられたとしても、そのように埋蔵されたものの重みは、容易なことでは鑑賞者の心に伝わるものではあるまい。作品と鑑賞者がなんらかの偶然によってよほどうまく邂逅しないかぎり、アその秘密の直観的な理解はふつうは望めない。 … トラックバック:0 コメント:0 2008年10月07日 続きを読むread more
2008年東大世界史第3問「交通の歴史」 【問題】 世界史ではヒトやモノの移動、文化の伝播、文明の融合などの点で、道路や鉄道を軸にした交通のあり方が大きな役割を果たしてきた。これに関連して、以下の設問(1)~(10)に答えなさい。解答は、解答欄(ハ)を用い、設問ごとに行を改め、冒頭に(1)~(10)の番号を付して記しなさい。 問(1) アケメネス朝ペルシアでは、王都と地… トラックバック:0 コメント:1 2008年07月11日 続きを読むread more
勉強会再開のお知らせ 現在、『系譜伝承論─佐々木六角氏系図の研究』(思文閣出版、2007年10月刊行予定)の再校を進めると同時に、『絵画資料論─一遍聖絵の図像学』の執筆を進めている最中ですが、勉強会を再開したいと思います。『絵画資料論』が筆了間近ですので、一般書『反信長』執筆の準備をするにあたり、みなさんとお話しするなかで、多くのヒントを得られると思ってのこ… トラックバック:0 コメント:4 2007年09月02日 続きを読むread more