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zoom RSS 2013年東大後期・総合科目V・講評

<<   作成日時 : 2013/03/19 23:45   >>

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【総評】
今年の問題は、2つの大問にそれぞれ500字の設問が二つ、合計2,000字と分量が多く、受験生には負担の大きいものだった。十分に考える時間がなかったのではないだろうか。ただし内容は難解ではなかった。

【第1問】
世界地図が大航海時代を画期に大きく変化することを論じた文章である。世界地図が変化したことは地理で学習するため、受験生はすでに知っている内容である。
▼問一は、空間概念の変遷を課題文に即して論述するように求めている。大航海時代を画期に転換するので、その前後の空間概念を比較しながらまとめるよう。ポイントは、生活空間との関係だ。
古代・中世では、生活空間を中心に、異質な空間が隣り合い、空間ごとに人々の行動を規定する規範があった。近代では、空間は絶対空間で、目盛をもった容器であった。科学における理想状態と同じで抽象的なものだ。しかし、これで世界地図は誰もが使える普遍的な道具になった。
▼問二は、筆者が本文に続く現代物理学における空間概念の変遷を述べた箇所を引用して、今日までにどのように空間概念が変わったかを論じた上で、自分の意見を述べるように求めている。
現代物理学に関しては、筆者の時代が科学万能主義から相対主義へと思想が大きく転換する時代であったと理解できればいい。解答例では均質性と不均質性という空間概念を使用したが、現代物理学について論じる必要はない。
 社会状況や技術の発達を踏まえて、たとえば交通の高速化やインターネットの普及で世界の縮小・均質化が進む一方、世界と自分の住む生活空間の間には国だけではなく、EUのような地域連合も生まれ、空間が多層化していると論じればいい。

【第2問】
課題文は、明治維新を世界史の中でも稀に見る急激な革命と論じ、誰も結末を予想できなかったと論じている。これは幕末の志士を英雄視する司馬遼太郎史観を批判するものでもある。通説とは異なる角度で見るのが、東大日本史の特色である。
▼問一は、幕末の動乱から明治維新にいたる歴史をまとめる問題である。試験時間が少ないときは、キーワードを書き出して時代順に並べ、それを順接・逆接の接続詞でまとめるといい。幕末をまとめるポイントは派閥の離合集散である。開国派と尊王攘夷派、公武合体論で尊王攘夷派の一部が開国派と合流、さらに討幕で公武合体派の薩摩と尊王攘夷派の長州が薩長同盟をつくるとまとめよう。
▼問二は、明治維新が攘夷をめざす志士が裏切る革命だったことを論述する問題だが、不平士族の反乱が西日本で起きた理由を考えると解答しやすいだろう。尊王攘夷を唱えて走り続けた名も無き志士たちは、明治維新で何も得る物は無く、むしろ特権を奪われて排除されたのである。

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