佐々木哲学校

アクセスカウンタ

zoom RSS 反小沢神話の崩壊(再掲)

<<   作成日時 : 2012/07/01 00:37   >>

面白い ブログ気持玉 1 / トラックバック 0 / コメント 0

 私が思考実験で示したとおり、民主党衆議院議員は消費税増税に反対することが正解だった。思考で重要なのは具体的な問題を解決するためにどのように行動するかである。具体的問題の解決のための行動を議論するものでなければ、思考は単なるゲームに終わる。
 そのため、思考実験では実際に民主党議員であったらどう投票するのか思考した。Twitterなどで民主党議員の生の声を聴き、その置かれている状況を分析した。そして、もし私が民主党議員であれば消費税増税反対が正解だと結論づけた。
 支持団体の圧力も考慮に入れた。たしかに争点が明確ではない場合には団体の指示通りに投票をするだろう。しかし自分の生活がかかっている場合には有権者は自分の生活を守るため投票行動をする。もし今回民主党の支持団体が、消費税増税反対派に圧力をかけたなら、むしろその団体が有権者の信用を失うだろう。破れかぶれの造反阻止は、自らの信用を失墜させる。
 マスコミの予想が外れるのは、マスコミが政策内容ではなく小沢政局で政治を語ったからである。親小沢対反小沢という構造で政局を予想したために、小沢氏に付いていく者は少ないと見積もっていた。しかし造反議員はマニフェストを守るかべきかどうかで悩み、マニフェストを守るという判断をした。それが選挙のときの約束だからである。しかも造反議員の多くは、毎週金曜日の夜に首相官邸を包囲する「原発再稼動阻止」のデモに参加している。国民はその決意を評価している。
 もちろん国民は何が何でも消費税増税に反対しているわけではない。無駄を徹底的になくして最後に消費税増税であれば納得する。造反議員の「先にやるべきことがある」という主張はまさにそういう意味であり、国民はそれを支持している。
 また、デフレのもとでの増税はデフレを進行させる。デフレ・スパイラルに陥っている現在、増税を強行すればデフレをさらに進行させる。これでは消費税増税の効果がないだけではなく、所得税や法人税の税収入は減り、税収入全体の増加は見込めない。これが反増税派の主張である。
 それにもかかわらずネット上には、いまだに「共同・朝日調査ともに『小沢新党に期待しない』多勢」(J-CASTニュース2012年6月28日12:20)という小沢政局の見方によるニュースがある。マスコミが反小沢派であることが良く分かる見出しである。

(以下、引用)
消費税率引き上げ法案の衆議院通過を受けて、共同通信社と朝日新聞社は2012年6月26、27日に全国電話世論調査を実施した。
共同通信の調査では、増税法案採決で民主党の小沢一郎元代表らが反対票を投じ造反したことに「理解できない」と答えたのは59.8%で、「理解できる」の36.1%を上回った。小沢氏らの新党結成も「期待しない」という回答が79.6%で、「期待する」はわずか15.9%だった。
朝日新聞では、小沢氏らの造反を「支持する」が29%、「支持しない」が61%。新党に「期待する」は15%、「期待しない」は78%だった。
なお、野田内閣の支持率はそれぞれ29.9%と27%、不支持率は54.3%と56%だった。
(以上、引用)

 見出しをそのまま受け取れば、たしかに小沢氏に「期待する」「支持する」者は少ない。しかし数字を良く見ると、共同通信の調査では小沢氏の反対票を「理解できる」36.1%、野田内閣の支持率は29.9%である。小沢氏の反対票を「理解できる」が、野田内閣を上回っている。朝日の調査でも、小沢氏の造反を「支持する」29%が、野田内閣の支持率27%を上回った。
 もし世界恐慌時のマクドナルド英首相が労働党を離党して挙国一致内閣を組閣したように、野田首相も自らが民主党を出て自公と挙国一致内閣を作れば、もっと支持されていただろう。小沢氏ら消費税増税反対派を残して、増税賛成派が一致団結して民主党を離党すれば、マニフェスト違反にはならずに大義名分が立つ。それができなかったのだから、マニフェストを破った者として、批判を甘んじていけなければならない。それだけマニフェストは重いものなのだ。そもそも参議院で民主党が少数与党になったのも、当時の菅首相が消費税増税を主張したからだ。しかし消費税増税反対票の受け皿がなかったため、皮肉にも消費財増税を党是とする自民党が多くの議席を獲得した。そして、今回の3党合意に至った。いま自民党も批判の対象になっているのは、参議院選挙で反民主党という投票行動を取った有権者を、3党合意という形で裏切ったからである。しかも有権者は、財政赤字が自民党政権時代に作られたことを知っている。やはり自民党は自民党に過ぎないという落胆の声が聞こえてくる。これが自民党の支持が伸びない理由である。
 消費税増税賛成に投じた議員が地元で非難され、反対した議員が地元で拍手喝采なのは当然である。しかも現在3党合意の内容が詳しく報道されるようになり、民主党執行部はマスコミからも梯子をはずされつつある。
 また、消費税増税の理由に国際金融市場での日本国債の信用が挙げられていたが、これも失敗だった。ギリシアの例を挙げれば国民が納得すると思ったのだろう。しかし、これで国際金融の投機筋に日本国債が狙われる。日本政府が日本国債の動きに敏感に反応するというメッセージを、国際金融市場に送ってしまったからである。日本国際の国内保有率はまだまだ高いのだから、国際金融市場を理由に上げる必要はなかったのである。これについてはマスコミも同罪である。日本とギリシアの違いを説明することなく、ギリシア危機で国民を煽ったからである。国債の評価を維持するために、また無駄なお金が使われることになる。とんでもないことをしてくれたものだ。財務省は責任を取れるのだろうか。
 小沢新党に「期待する」15.9%も、まだ参議院での消費税増税可決阻止の可能性のある段階での設問であり、時期尚早だろう。小沢氏の行動を支持しながらも、まだ党内に残り民主党を改革してほしいという意見もあるからである。しかも民主党が造反議員の処分に手間取り、自民党がしびれを切らして参議院の増税法案の審議を止めることすら、国民は期待していたのである。自民党執行部がしびれを切らせて審議を止めたら、自民党もまだ起死回生できる。
 実は小沢氏支持15.9%は支持率としては手堅く、十分に第三極を狙える数字である。さらに小沢氏の離党が現実になれば、小沢氏の反対票を「理解できる」36.1%、小沢氏の造反を「支持する」29%が、そのまま小沢新党に「期待する」可能性がある。だからこそ、民主党執行部は彼らをすぐには除名できなかったのである。もう小沢氏を除名しても支持率は上がらない。むしろ民主党執行部が国民の批判を受ける立場になってしまった。実際に3党合意支持は小沢氏支持を下回った。
 消費税増税を正当づけるためには、まず何にどれだけお金がかかるのか試算する必要がある。それにもかかわらず先に増税だけを決めて、社会保障制度の改革は先延ばしでは、誰が見ても増税が目的の一体改革案だと分かる。これでは国民の支持は得られない。先に社会保障制度改革であり、さらに無駄遣いの徹底究明である。
 しかも3党合意がなされたといっても消費税の使い道では3党合意には至っていない。民主党はすべて社会保障制度に使うといっているが、自民党は公共投資に10年間で200兆円、公明党は防災関係に10年間で100兆円を使うといっている。使い道が合意できていないのなら、やはり先に増税したかったという意図が見えてくる。自ら議員定数を削減できない国会に、国民は白紙委任状を出すことはできない。
 最近の政治は小沢対反小沢の政局で語られてきた。その結果はどうだろうか。マスコミも政党人も、反小沢であれば支持率が伸びると思った。その結果が3党合意である。しかし3党合意で民自公3党はともに国民の信用を失い、捨て身の造反議員が英雄となった。理は小沢氏と造反議員にあったからである。自分を守ろうとする気持ちが、判断を誤らせ自ら破滅にいたるといえる。
 非はマニフェストを守った反増税派にではなく、マニフェストを破った増税派にあり、自民党はそれに手を貸したことになる。たしかに自民党は三党合意で自らのマニフェストの達成率を高めたが、そもそも膨大な財政赤字を作ったのも、原発を推進したのも自民党であると国民は思っている。次回選挙が消費税増税と脱原発が争点となる。マニフェスト達成を訴えても意味がない選挙になりそうだ。むしろ国民の批判は民主党執行部に手を貸した自民党にも向かっている。
 私が自民党議員であれば、執行部に3党合意の失敗の責任を問うだろう。自民党は反民主党の軸にはなれずに、むしろ民自公が同じ泥舟に乗ってしまった。
 また、小沢氏に対して「増税前にやることがあるなら、なぜ今までできなかった」との批判も的外れだろう。小沢氏は陸山会事件やそれにともなう党員資格停止で、がんじがらめに縛られて身動きが取れなかったのである。そうさせたのは、ほかの政治家の不正には目をつぶり、小沢氏だけを狙い撃ちにした検察とそれを支持したマスコミであろう。そして第一審判決で敗れた検察は現在崩壊の危機にある。新しい証拠が出ないかぎり小沢氏の無罪は覆らない。小沢氏秘書を「推認」だけで有罪にしたように、小沢氏も「推認」で逆転有罪するのだろうか。
 財務省も国民を納得させるために、やらなければならないことがあった。消費税を3%にしたとき結果どれだけの増収があったのか、5%に引き上げたとき結果どれだけの増収があったのか、明らかにすることだろう。
 また消費税を導入している国の中には、食料品など生活必需品に課税していない国が多い。そこで、全商品に消費税が課税されたとしたら実質何%に相当するのか試算する必要だろう。消費税15%の国でも、全商品に課税されていたら実質9%ほどになるだろう。
 さらに消費税だけではなく、すべての税の合計を各国間で比較することも必要である。一人当たりの税負担の総額を比較するのである。国民を納得させるためには、この作業も必要である。
 そして最後に費用対効果である。北欧など高福祉の国の税負担と同じだけ税負担させるならば、日本も高福祉にしなければならない。そのためにも費用対効果をきちんと説明しなければならない。お金がいるならば、何にどれだけお金がかかるのか説明しなければならない。
 ちなみに、私は日用品への非課税には賛成しない。たとえば食料品とはいっても、生きるための最低限度のものから、高級料亭や高級フランス料理のような贅沢なものまであるからである。そうなると、何に課税して何に課税しないかで、官僚や政治家の利権構造ができ上がるからである。累進性は、高所得者に高く低所得者に低い所得税や法人税で対応できるだろう。さらに法人税も利益にかけるのではなく、会社規模や内部留保も考慮に入れたものにする必要があろう。

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 1
面白い

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
URL(任意)
本 文

恋愛哲学

反小沢神話の崩壊(再掲) 佐々木哲学校/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる