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zoom RSS ウサーマ・ビン・ラーディン暗殺に思う

<<   作成日時 : 2011/05/02 23:07   >>

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 3月10日発売の週刊文春の東大入試特集に関する記事で、江戸町民の地震観を示す鯰絵について書いたら3月11日に東北地方太平洋沖地震があり、また昨日5月1日にイスラーム教では豚肉を食べないという記事を書いたら、今日5月2日(現地時間5月2日午前1時)パキスタンのアボタバードで、米海軍特殊部隊(SEALS)によってウサーマ・ビン・ムハンマド・ビン・アワド・ビン・ラーディン暗殺という速報があった。わずか40分の軍事行動だったという。偶然の出来事だろうが、気にかかる。
 ウサーマ・ビン・ラーディン暗殺の速報(米国では5月1日)で米国ニュー・ヨークではお祭り騒ぎのようだが、わたしは身柄を拘束してほしかった。9・11同時多発テロのうち世界貿易センタービルの崩壊事件では、ユダヤ教徒の死者がなかったことから陰謀説もあり、真相を究明するためにも、ウサーマ・ビン・ラーディンには法廷で証言をしてほしかった。これでは疑惑は疑惑のまま残ることになる。疑惑をもつ者は、ウサーマ・ビン・ラーディン父子の発言を恐れて殺害したと推測するだろう。これは米国にとっても得策ではない。罪が重ければ重いほど真相を究明し、罪を償わすためにも生かさなければならない。証言をさせた上での終身刑がよかったと思う。しかし、この軍事行動では、最初から身柄拘束という選択肢はなく、暗殺が目的だったという。首都イスラマバードに近いアボタバードには軍事施設が多く、パキスタン軍を刺激しないためにも早く軍事行動を終わらせなければならないという事情があったのかもしれない。
 わたしは終身刑をつくった上での死刑廃止論者であり、終身刑のない日本の現状では死刑は必要と考えている。重大な事件を起こしたものは、自ら死と向き合う必要がある。終身刑も死刑もともに、死と向き合う刑である。冤罪の可能性もあるため、終身刑のほうが望ましいと思っている。
 わたしたちはホッブズの社会契約説によれば、わたしたちは人を殺す権利を持っていることになる。それをそのまま認めれば、まさに「万人の万人に対する闘争」状態である。しかし、誰も他人の都合で殺されたくはない。そこで、人を殺す権利を王(国家)に預けた。これが、わたしたちに正当防衛以外の殺人が認められていない理由である。自殺もこの人を殺す権利に当たる。日本では母子の心中事件が涙を誘うが、米国では将来ある子供を殺した殺人罪である。あくまで例外は、自分が殺される危機に直面した場合の正当防衛のみである。この王(国家)に預けた人を殺す権利が死刑である。終身刑のないままの死刑廃止は、わたしたちが預けた人を殺す権利を国家が放棄することになる。終身刑にすると、終身刑にするかどうかの基準をめぐる論争がまた起こるだろうから、罪を加算していく制度にすればいいだろう。そうすれば量刑は分かりやすくなる。ウサーマ=ビン・ラーディンが真の首謀者であれば、その量刑は計り知れない。
 しかも一部の報道では、DNA鑑定の後に遺体は海に捨てられたという。これでは証拠隠しとしか思われないだろう。本当に殺害したのか、事件の真相は米国が宣伝する内容とは異なるのではないか、疑惑が疑惑を産むことになる。
 しかし、今回の暗殺事件でもうひとつ憂慮することがある。それはイスラーム教に対する偏見である。イスラーム教はけっしてテロは認めていない。むしろ徹底してムスリム(信者)間の平等を説く。預言者ムハンマドが自らを最後の預言者と述べたように優れた宗教である。湾岸戦争のときも、帰還した兵士の多くがイスラームに改宗していたという。同時多発テロでは多くのムスリムが被害者となった。テロとイスラーム教を結び付けてはならない理由のひとつだ。ウサーマ・ビン・ラーディン暗殺で報復が恐れられている。このように報復には報復が繰り返される。報復には報復感情しか生まれないことは、日中・日韓関係の中でわたしたちは学んでいるはずである。だからこそ、わたしたちはムスリムに対する偏見をもたずに、むしろ協力して平和な世界を築いていく必要があろう。

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