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zoom RSS 福島原発にみる産学官の癒着―政治に求められるもの

<<   作成日時 : 2011/04/23 22:42   >>

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 政府は経済のことも分かっていないようだ。計画停電を政府がすぐに了承したことは信じられない。しかも対象地域から都内からはずされたことで、生産拠点を近郊に移していた産業界は大きな打撃を受けた。本社機能は在宅勤務でも対応できるのであり、工場が操業停止・減産に追い込まれたことによる日本経済の損失は大きい。さらに影響は国内だけにはとどまらない。日本の中小企業が生産する部品はとても優秀であり、震災あるいは計画停電による工場の操業停止・減産は世界経済にも影響を与えている。その損害補償は一民間企業では負えないものだろう。
 たとえ事故がないとしても、原子力発電は放射性廃棄物を出し続け、その廃棄物を地中に埋めるしかないため、子孫の世代に放射性物質を押し付けることになる。これは大きなリスクだろう。原子力発電を東京電力だけの責任ではないだろう。原子力行政を推進してきた中曽根元首相以来の歴代内閣の責任でもある。
 今は被害者の代表としてマスコミによく出演している佐藤雄平福島県知事は、実はプルサーマル建設を強力に推し進めてきた。東京電力の隠蔽体質への不信感からプルマーサル建設に反対した佐藤栄佐久前知事は、2006年水谷建設とレインボーブリッヂのからむ不正事件で、実弟の経営する縫製会社が不正な土地取引の疑いで検察の取調べを受けたことから道義的責任で辞職したが、検察による作られた事件の可能性が高い。栄佐久氏失脚後には、民主党渡部恒三氏の甥である佐藤雄平現知事が就任し、県議会でもほとんど議論されることもなく原子力発電が推進されたという。
 日本人は潔癖であるために汚職事件に敏感ではあるが、政治家に必要なものは決断力であり、政策によって評価されるべきものである。佐藤栄佐久氏の汚職事件に登場する水谷建設川村尚元社長は、検察にとって都合のよい証言する人物であり、収賄金額が0円で有罪とされた栄佐久氏の収賄事件は作られた可能性が高い。汚職事件に潔癖すぎると、実際には収賄を受けていない優秀な政治家を、作られた事件で失脚させる可能性が高い。改革に真剣な政治家ほど疑惑をかけられるのが、日本の政治の不幸である。アメリカ連邦議会でのロッキード社の発言しか証拠のない田中角栄氏の疑惑も、その一例に挙げられる。これが日本の政治がいつまでも成熟しない理由である。わたしはクリーンを強調する政治家ほど信用しないことにしている。なぜなら実際に政治資金を1円単位から報告しているのは、小沢一郎氏と鈴木宗男氏だけだからである。マスコミも記者クラブで官僚と、広告費で財界と癒着しているため、わたしはマスコミによって批判されている政治家ほど信用するようにしている。
 このように前知事の作られた汚職事件がからむ福島県の原子力推進の責任は、東京電力だけに責任があるわけではない。東京電力社員の給与が20%カットされるならば、これまで原子力を推進してきた自民党・民主党など政党は政党助成金を返上すべきだろう。
 それらの責任をうやむやにしたまま、政府は東北地方の復興のために消費税を上げることを容認している。震災を理由に便乗値上げをしようとしているのである。おそらく15〜20%になるだろう。東北地方の復興のためならば、消費税の値上げを容認するつもりはあるが、東北・北関東復興後に消費税が下げられるという保証はない。むしろ震災で停滞している経済を、消費税の大幅値上げで停滞させる可能性が高い。とくに自粛ムードの強い現在では、そのまま経済は停滞することはまちがいないだろう。
 また国民に負担を強要するのであれば、まずは政府のリストラを進めるべきだろう。震災を理由に便乗構造改革を断行するのである。震災が理由であれば、構造改革に官僚も反対しにくいであろう。国民の支持も得られるはずだ。それができないのであれば、この政府は国民のために決断できる政府ではない。官僚が上げてくる数値を垂れ流し、政策を採用しているだけである。
 さらに電気料金の値上げも必須のようだ。震災による損害賠償は一民間企業が負えるような金額ではないため、震災復興支援機構には税金・震災国債があてられ、東京電力は少しずつ返還していくという構想がある。しかし、その返還のために電気料金が値上げられて、結局は国民が負担することになる可能性が大きい。東京電力が自己資産の売却などしないままに、国民が負担することになれば、復興支援機構は国民を騙すためにあるとさえいえる。
 また産学官共同による大学人事も、大学の批判精神を失わせた。現場を知る専門家による授業は学生にとって興味深いものだが、専門学校と見違えるほどの実学重視の現在の大学は官僚や財界人の天下り先になり、行政や財界に対する批判精神をなくして、今回の原子力行政にも見られるように産学の癒着が著しくなってきている。また、あまりに多く官僚・財界人の教員が生まれたため、金石混合の状態となり、講義もつまらなくなりつつある。わたしたちは大学が官僚の天下り先になっていることを、厳しく監視しなければならないし、マスコミに登場するから良い教授だと安易に信じないことだ。
 今回の東京電力福島第一原発事故は、わたしたちに多くのことを知らしめるきっかけを与えた。関東人は福島の復興に最大限の協力をすべきであるが、産学官に対して厳しい批判力をもって対応しなければならない。

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