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zoom RSS 週刊文春の取材・東大特集

<<   作成日時 : 2011/03/07 22:22   >>

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 今日、週刊文春の取材を受けました。3月10日に東大の合格発表があるのですが、3月17日号の発売日と重なるので、東大受験特集の記事を組むそうです。週刊朝日やサンデー毎日はこの時期受験特集を組みますが、やはり売れるそうです。それで6日に取材申し込みがあり、今日7日に取材がありました。ちょうど2月20日(日)背広に革靴で下り坂を全速力で走ったために受傷した肉離れでの治療で、立川の国立病院災害医療センターに通院する日だったので、立川ルミネにある行きつけのHongKongSweets果香で取材を受けました。
 編集の東郷さんは、当ブログからメールで連絡してきたのですが、取材の時にはすでに『東大入試で遊ぶ教養』も紀伊国屋書店で購入されていました。この本はジュンク堂と紀伊国屋書店で手に入ります。紀伊国屋さんでは東大コーナーに置いてあるそうです。ブログで同書の訂正を出していることも知っていました。ブログの内容もよく読んでいますね。短期間での取材なのに、よく勉強されています。感心しました。
 話した内容は、@今年の東大前期の問題はやさしめであったこと、A東大の入試問題を的中させることは難しくないこと、Bなぜなら東大で出題されやすい分野があること、Cそのため過去の入試問題をしっかりと勉強していれば二次対策になること、D東大の入試問題作成者は教えたがりなので楽しみながら解けること、E東大基準と予備校基準の違いは一言でいうと「大胆」と「無難」であることです。予備校は無難な模範解答をつくるので、逐語訳的な面白みのない解答例をつくります。合格ラインを無難に超えたいのでしょう。戦略としてはまちがっていません。しかし1983年東大日本史で予備校の模範解答にダメ出しをしたうえで再度同じ問題を出したように、東大日本史は無難な解答を求めていません。資料を読んで自分が「いいたい」と思ったことを書かないと採点官はがっかりします。ここが模擬試験の結果と合格結果が必ずしも一致しない理由です。
 取材申込みの連絡をメールで受けて思ったのは、まだ東大需要があるのだなという感慨です。いま中学受験の個人指導もしているのですが、たしかにその子も東大を目指している桜蔭志望者です。最近の中学入試は東大の影響があって、単なる暗記科目ではなくなっています。灘中の入試問題に社会科がないように、かつては暗記科目だったのですが、今は立派に思考問題が作られています。海城中で「鯰絵」を題材にした文章題が出たときには、正直面白いと思いました。はじめは地震を起こす鯰を石で封印しようとしているのに、次第に地震で建設業が盛んになることから鯰が善神になり、さらに最後には世直し大明神になるという経過を説明した文章題です。まさに教えたがりの問題です。この鯰絵に関する考えは、社会経済史や文化人類学を学んだ者には有名な学説であり、しかも地震がテーマなので、歴史だけではなく地理や公民の問題も作成できます。いいところに目をつけたなと思いました。
 また慶應中等部でも、外交史を問題に出したときに、日中貿易と関係のないものを選択する問題が出題されたことがあります。その選択肢には勘合貿易のほかに南蛮貿易と三角貿易がありました。教科書や大手塾のテキストでは、南蛮貿易の交易品はポルトガル・スペインらしい物を挙げているので、一般の中学受験者は南蛮貿易が日中貿易と関係ないと判断してしまいます。しかし南蛮貿易は、倭寇ルートを利用した日中間の中継貿易でした。そのため日中貿易と関係ないのは、イギリス・アフリカ・アメリカ間の奴隷貿易である三角貿易です。この問題を見たとき、慶應中等部の入試作成者はわかっているなと感心したのですが、残念ながら入試日当日に選択肢から南蛮貿易が外されました。きっと塾からの批判を避けるためでしょう。もったいない問題でした。けっこう中学入試も面白いですよ。
 このように東大需要があるのでは、しばらく更新していない東大関係の記事を更新しないといけませんね。また既出の模範解答も、よりよいものにできるものは修正する必要があるでしょう。
 明日8日午後に校正原稿が出るのですが、どのようにコメントが採用されているでしょうね。わたしの「いいたいこと」と編集者の「受け取ったこと」はおそらく微妙にずれているでしょう。着目点が異なれば、同じことを感覚として受け取っても、異なる解釈が生まれます。これが解釈学の主張です。この解釈の違いから他人の視点を知ることができるので、そこがまた楽しいのです。

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