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zoom RSS 1996年東大前期・日本史第2問「守護・守護大名・戦国大名」

<<   作成日時 : 2006/05/31 11:37   >>

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次の(1)〜(6)の文を読んで下記の設問に答えよ。
(1)一三四六年、室町幕府は山賊や海賊、所領争いにおける実力行使などの暴力行為を守護に取り締らせる一方、守護請や兵粮米と号して、守護が荘園や公領を侵略することを禁じた。
(2)一四〇〇年、信濃の国人たちは、入国した守護に対して激しく低抗してついに合戦となり、翌年、幕府は京都に逃げ帰っていた守護をやめさせた。
(3)一四一四年、九州の一地方の武士たちが作成した契約状によれば、喧嘩を起した場合、双方が処罰されることとなっている。
(4)一五二六年に制定された「今川仮名目録」では、喧嘩の両当事者は、その主張が正当であるかどうかにかかわりなく、死罪と規定されている。
(5)一五六三年、武田氏が作成した検地帳によれば、検地をして新たに把握された増加分は、その地の家臣に与えられている。
(6)発掘調査の結果、朝倉氏の城下町一乗谷は計画的につくられており、館を中心に、武士の屋敷や庶民の家、寺などが周囲をとりまいていることがわかった。

設問
A(1)の文を参考にして、室町時代の守護は、鎌倉時代の守護とどのような点が異なっているのか、二行以内で説明せよ。
B(2)〜(6)の文を参考にして、室町時代の守護が直面した地方の武士のあり方と、それに対応して戦国大名が支配権を確立するためにうちだした施策について、五行以内で説明せよ。

【解き方】
当たり前だと思っていることを説明するのは結構むずかしい。鎌倉時代と室町時代の守護の違いも、そのひとつだ。論述試験はそういうところをわざと質問してくる。いじわるだ。しかし東大はきちんと資料を提示してくれるので、それをもとに考えれば、解けるはずだ。それは東大がもとめる力が、細かい知識の暗記ではなく、資料を正確に読解できる学生が欲しいからだ。
A 鎌倉時代の守護と室町時代の守護の違いを説明するのは意外と難しい。しかし資料を正確に読めば、こまかい知識がなくても解ける。資料(1)によれば、室町幕府は、武士の所領争いでの実力行使などを取り締まる権限を守護に与えた。このことで、守護は管轄内の武士の争いを調停することで、かれらを家臣化した。さらに室町幕府は、管轄内の年貢徴収を請け負うようになっていた守護に、年貢の半分を兵粮米として徴収していい権限を守護に与えた。これで守護は利益の上がる職になった。しかも、守護はこのような守護請や半済を足がかりに荘園や公領を侵略した。このように資料(1)を読めば、室町時代の守護の権限が増えていることに気づく。これをまとめればいい。
B しかし地頭の中には守護に反抗する者もいた。このように守護に反抗的な地頭を、地元の人という意味で国人といった。資料(2)によれば、信濃の国人たちが守護に激しく抵抗し、京都に逃げ帰っていた守護を幕府はやめさせた。資料(3)によれば、かれら国人は契約状を作成し、喧嘩両成敗を定めていた。これは国人一揆の団結を固めるためだった。しかし資料(4)によれば、戦国大名は分国法で喧嘩両成敗を定め、家臣どうしの私闘を禁じて、みずからが裁定者であることを宣言して支配を強化した。国人たちが団結を強めるために規定した喧嘩両成敗を、戦国大名は支配強化に利用したのだ。また資料(5)によれば戦国大名は、検地をして新たに把握された増加分をその地の家臣に与えた。こうして主従関係を強化した。さらに資料(6)によれば計画的につくられた城下町に、武士と商人を集住させて、武士を土地から切り離して消費者にして、官僚化することを目指した。資料を丹念に読むだけで、これだけのことがわかる。日本史を暗記科目ではなく、見事に考える科目にしている。すばらしい。

【解答例】
A 室町時代には権限が増え、検断権を利用して武士の争いに介入して被官化し、半済・守護請をもとに荘園を侵略して任国を領国化した。
B 任国の一円支配をまざす守護に対抗して、在地領主国人は一揆を結んで、相互の紛争を解決した。それに対して戦国大名は、分国法で喧嘩両成敗の規定を設けて被官同士の争いを禁じ、紛争の調停者として君臨した。さらに被官を城下町に集住させ、被官の在地支配権を否定するとともに、常備軍を編成して分国支配を確立した。

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